辺境にて

南洋幻想の涯て

教室でアバス鍋

 毎日伐採の日雇いに行っている。離島から海を渡ってわざわざ本島側まで伐採にいくのは私ぐらいのものだそうだ。だからかどうかは解らないが社長は色々食べさせてくれるし免許も取らせてくれたりする。

 

 昨日はアバスを食べた事のない私に鍋を作って食べさせてくれた。

 伐採の途中にあった廃校(私の住むところとは別)の教室で机と椅子を出してカセットコンロの鍋を皆で囲んだ。

最後の日のままの黒板がせつない

 アバスは口の中でほぐれる柔らかい白味、淡白な味、総体でトラフグや鱈にも似ているが、何とも言えない独特の風味がある。干せば味が濃縮されて良いつまみになるかもしれない。この癖のある風味のおかげでヒンジャみたいに好き嫌いが分かれるそうだ。今朝になってもおしっこからアバスのにおいがする。

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社長手作りアバス汁

 この辺りも他の地域同様少子化により学校はどんどん廃校になっている。廃校は財産管理課か教育委員会の管理になり、メンテナンスと引き換えに一般に貸し出していることがある。もちろん審査はある。

 この学校はまだ人口もそれなりに居る本島側なので廃校と言っても綺麗に管理されている。

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 地域に愛された学校の「終了式」の日に思いを馳せながら廊下を歩いているとわけのわからない物を見つけた。

 

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 怖い。