辺境にて

南洋幻想の涯て

校庭管理の下見

 日曜日に予定されている集落作業の後、ついでに初めての校庭管理をしようと思い前任者に地図を描いて貰って下見に行った。

 

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私の描いた地図と違い解りやすい。オレンジの斜線が私の担当域になるそうである。

 

 また学校と同じ集落で、主人が亡くなり整理している屋敷があるから使えるものを分けて貰いに立ち寄った。

 昔の島民の多くがそうだがその屋敷のかつての主人も大工の技術があったそうだ。庭にログハウスを建てて趣味に使っていた。

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 辺境では少々のことは自分達でしなければならない。増改築、電気水道工事、野良仕事などそれぞれのスキルを持ち寄って助け合う。本業が何だかよく分からなくなっている人が沢山いる。本題が何だかよくわからない当日誌の様だ。

 

 先住者だから根本から言葉の意味が違うのだが、私は彼ら古島人に「開拓民」のイメージを持っている。昔は集落や親族など自分達だけで協力し合って家を建てていたらしい。

 魔王の屋敷もその父や叔父が山から木を切って川で数年晒し寝かせて建てたと聞いている。

 ピンクのオックスフォードシャツを拾った。サイズが超でかいのでどうやって着よう。

 他にもガスコンロや有名ブランドの赤いプラケース、本などを形見分けしていただいてその家を発ち廃校に赴いた。

 


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集落百年の本を拾った。この集落の一員になるなら一読せよと言われているのかも知れない。

 

 区長と担当を二分する風に聞いていた私はお互いの領分を侵さぬよう地図を頼りに確認して周った。

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 前任者の地図。オレンジの斜線が担当域。

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 おそらく青斜線が区長の領分だろう。校門に立ち丸い花壇を右に進む。地図を片手に自分の領分を確認して周るが思ったより荒れている。半日で片付けるつもりだったが刈り半日掃除半日はかかるかも知れない。

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 硬めの草が生えてきているのでナイロンではなくチップソーで刈ることにした。一応区長の領分も見に行ってみた。校門へ戻り今度は丸い花壇を左へ行く。

 


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 刈るのではなく除草剤で枯死させている。私が鋸を振るう物理攻撃タイプなら区長は除草剤タイプだ。

 

 だがすぐに塀に行き当たり区長の領分は終わってしまった。あれ?そのまま塀を越え外に出て外周を確認してみる。

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 実際の地形はこうだった。なぜ体育館の左面は担当外なのかという謎は解けたが次に何故いっそ全部私の担当ではないのかという疑問が湧いてきた。

 

 まあ教育委員会と財産管理課、集落間で色々あるのかも知れない。首は突っ込まない事にして指示通りにやろう。