辺境にて

南洋幻想の涯て

約束の地

 当日誌開始以前。

 スュリの魔王から離れて安住の地を探している旨と、「魔術の家」の事を林業の休憩中に語っていると、日雇い仲間である前住人から廃校の校長室の話を聞いた。そこで早速次の休みに下見に行った。内地の友人に自慢しようと電話をしながら…

 

 友人を驚かせようと思った私は自分がこれからどこに住むのかをあえて伏せ、すでに何度も語っていた今日までの廃墟探検のおさらい ー海底から海外までー を臨場感たっぷりに語りながら廃墟の学校の校長室へ歩みを進めた。やがて素晴らしく朽ち果てた我が新居の前で、斯くのたもうた「そして約束の地にたどり着いた!」

 

 一人で盛り上り、つい友人に口走った「そして約束の地にたどり着いた」一度写真を撮るため通話を切ったがどうしても最後に口走ったセリフが恥ずかしくなりかけ直す事ができない。「そして約束の地にたどり着いた」言わなければ良かった。「そして約束の地にたどり着いた」やり直したい過去はありますか。

 

 しばらく後友人から着信があったが恥ずかしかったので無視した。知らん。

 彼からすればすごい秘密を目撃してくたばったオープニングのモブキャラの様に映った事だろうが知ったこっちゃない。私は悪くない。

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 ところで今日はスュリの作業の後で校庭管理を予定していたが雨が降ってきたので校長室の改修を行った。

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 校長室は住むには傷んでおり、襖紙が浮き上がったり破れていたり、畳も床板も腐ってきている。

 

 

 潮風が強いが部屋から海を眺められるので良い感じ。早く完成させよう。


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昭和レトロな襖。かわいい。

 


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下からさらに昔の襖紙が出てきた。

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風呂も昔の団地といった風情で良い。

 

 洋室派なので改修ついでに洋室にしてしまおう。今日は畳をフローリングに替えた。他に二部屋あるがそっちは畳が大丈夫なので上に板を打ち付けるだけにする。

 サッシも潮風で腐食しているがこれはコンクリートに嵌っているのでどうしようもない。コーキングでもしておこう。

 

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腐食したサッシ。

 

 コンクリートといえば軒のコンクリート②が浮いてきており、頭に落ちればひとたまりもないからどうにかしなければならない。また玄関前の枯れた木①も頭に倒れるかも知れない。ひとたまりもない。

 

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無闇に脳天に一撃を加えようとする約束の地。

 

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本日の作業風景。

 

 

 

 作業を終え外を見ると雨は止んでいた。

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