辺境にて

南洋幻想の涯て

日直のしごと

 森の中に真っ赤な木を見た。年配の職人さんからアカギだと教えてもらった。島にはアカギと呼ばれる木が二種類あるそうだ。

 

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赤い。

 その後200メートルほど伐採しただけで雨になり仕事が終わってしまった。社長が酒とシシ肉に誘ってくれたが廃校の仕事が溜まってきているので昼前のフェリーで真っ直ぐ帰った。

 

 実家にあった大工道具を持って廃校へ向かった。雨だから校庭管理は今日もできない。

 先日、友人に学校に住む旨伝えたら毎日日直だなと言われた。今日の日直のしごと、校長室修繕。

 

 前回は傷んだ畳を剥がしてフローリングにした。さも簡単に施工した様な記事に出来上がっているが実は大工の心得なんて全くない。初めましてDIYである。説明書に従って丸1日費やしてどうにか出来上がったのが別記事の六畳の部屋だ。

 

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この写真は終わりが見えずやる気を無くしているところである。

 

 実はこうなる事は予測出来ていたので残り2部屋はイージーフローリングにしてある。痩せたり膨張したりしている古畳の段差など無視して上から強引に板を打ち付け全てを無かったことにする。これがイージーフローリングである。

 これなら私にも簡単にできる。緻密な大工仕事なんて初めから向いていなかったのだ。さよならDIY

 

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材木屋さんから買った板を切って並べて釘を打つだけ!誰でもできる!イージーフローリング!

 

 ところがわずか二列目で大きな問題に行き当たった。同じ板だから当然狂いなく同じ寸法だと思い込んでいたのだが結構違う。断面も直線が出ておらずただ並べるだけでは隙間だらけである。

 

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下から恨めしげに覗く畳。

 

 初めはバジャガネで計測して鑿で削ったり(鉋を忘れた)頑張ったが木の体積が減るばかりで終わりが見えない。また嫌になってきた…。隙間も無視する事にした。板の上に乗り横から当て木をして金槌で叩き隙間が最小になった時すかさず上から釘で固定する。もうどうにでもなれ。

 

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イージーフローリングは敵にうしろを見せない。

 

 いい加減な施工とはいえ手際も悪く一部屋目に3時間近くかかってしまった。さらに板と一緒に電ノコのコードも切断してしまい使えなくなった。

 

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やってしまいました。

 

 もう農業用の剪定鋸しか持っていない。断面が非常に汚いが自業自得だから仕方がない。

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あと照明も壊した。

 

 畳の段差を無視したら板に段差ができた。考えてみれば当然である。


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ガタガタすぎて裸足で歩くと危ない。

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 残り3列半まできたがすっかり嫌気がさしてしまい今日はやめる事にした。

 

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今日一番頑張ったところ。頑張ったからといって一番になれるわけではないと教えてくれている。