辺境にて

南洋幻想の涯て

校庭管理

 今日は強風で船が出なかったので林業日雇いは休んだ。明日は柑橘栽培の研修に行く予定をしていたが今日より風が強い予報なのでやはり船は出ないだろう。参加は辞退した。

 朝は魔王が購入したマグロ堆肥を運ぶ手伝いをした。マグロ堆肥という言葉のボリューム感が面白い気がしたがそれは気のせいの様だった。強風でテンションが揚がっているのかもしれない。カルシウムやリンが多く含まれており実が大きく色づきも良くなると教わった。

 


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マグロ堆肥、肥料の臭いの中にわずかにマグロやカツオの様な香りがある。

 


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 ついでにバナナも収穫したが売り先もなく窯上の梁に吊るした。魔王は栽培は好きなのだが売る方には興味も知識もほとんど無く、私にネットで売れと随分漠然とした指示を出す。私もいずれそうすべきだと考えてはいるが面倒臭がりでつい今日までこのままである。

 それに植物は育てるより伐倒する方がまだ得意だ。魔王はウセのサグラダファミリア建造へ向かったので、私も廃校へ向かうためバイクに跨った。最近ずっとバイクから変な音がする。

 

 今日の日直のしごと、校長室フローリングの完成後、校庭管理。

 


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廃校着

 

 今日はまず前回の続き、まともな鋸も借りてきた(鉋は忘れた)ので板張りをさっさと終えて校庭管理をしよう。

 


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いかにもな古臭い形と思っていた魔王愛用鋸がものすごく使いやすい。今ではこのフォルムに機能美すら感じる。たまに引っかかってくにゃっとなった時に折れたと思って慌てる。

 

 床板をいよいよ雑に完成させ、仕上げにあちこちで浮いている床板から恨めしげに覗く畳を見つけては金釘で一心不乱に縫い付ける。恨みを金釘で封じるなんて工程が出てくるのがイージーフローリングの特徴である。畳の断末魔が聞こえる。

 

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くにゃっと曲がっていなせば折れぬと魔王麾下の彼は語る。老魔王との付き合い方を教えてくれているのかも知れない。

 

 次に校庭の草刈りに取りかかる。日直は多忙だ。林業社長がゆくゆくは背負いの刈り払い機を使って欲しいというので慣れている腰だめ式ではなく使用経験のない背負い式を持ってきた。

 腰だめ式は構造上重量の有るヘッドとエンジン、燃料タンクが両極に有り、腰でその天秤を振って刈る。最初に校長室を目指して刈り進んだのもこれだ。

 一方今日使用する背負い式はエンジン燃料タンクをリュックの様に背中に背負い、そこから掃除機のノズルの様に伸びたヘッドで刈る。

 夕方までかけてグラウンドの中央部を終わらせたが背負い式の使い方の要領を得ず首と左腕が痛い。腰だめ式の方が楽に感じる。

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シャッターを10秒タイマーにして提出用の写真も撮った。映画のポスターみたいになる様頑張った。

 

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 前任者が作成してくれた地図の画像を回転させ今日の進捗を囲ってみた。黄:学校敷地 赤:荒刈り終了 青:管理区域外

 …?

 学校のグラウンドをほぼ終わらせたのに赤枠が妙に小さい。校庭が小さく描かれすぎているのではないか。改めて見ると縮尺だけではなく建物の向きなど色々おかしい。作成者が記憶を基に描いたものなので印象の強かったものは大きく、そうでもないものは小さく描かれている様だ。体育館に至っては校庭サイズまですくすくと育っている。

 

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静かに果てしなく成長してゆく体育館。