辺境にて

南洋幻想の涯て

ルナティックフローリング

 先月遺品整理で頂いた有名ブランドの赤い箱はしつらえてあった蓋も赤く塗り、宅配ボックスとして利用させてもらう事にした。

 


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かわいい。

 
 一方、赤い床はいくら紙やすりで磨いてもステインが染み込んでおり完全には戻らない。仕方なく裏面を使う事にした。到着が遅れているが電気やすりさえ届けばやすりがけされていない裏面もいくらでも磨ける。だから一からになってしまうが全ての板を剥がして裏返す事にした。

 

 今日の日直のしごと、泥沼化したイージーフローリングとの終わりなき戦い。

 

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わざわざお金を払って鉋がけしてもらった綺麗な面を裏返し、汚い方を使う。本物の匠は誰からも見えない面にこそこだわる。

 

 一枚ごとにただひっくり返すだけでは隣の板と形が合わないので部屋全体で裏返さなければならない。


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 とりあえず柱との兼ね合いがある中央を起点に返してみる。

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 この調子でまずは剥がしてしまって正しい位置にパズルのピースを並べてしまう事にした。


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 釘は板についてくるので後でまとめて外しながら打つつもりで無心に板を剥がしては裏返し、並べ続ける。そしてすぐ自らの愚行に気が付き血の気が引いた。

 


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もう行き当たりばったりだからでは済まされない。

 このまま続ければ絶対に足かお尻に深傷を負うので面倒だが裏返すたびに釘を抜く事にした。さらに理屈では然るべき板に隣接させれば綺麗に合致するはずなのだがこれも何故か合わなくなってくる。イージーフローリングは何一つ思うようにはいかない。

 しかし悪い事ばかりでもない。段々と仕事に習熟し始めている。元旦の時の床張りよりも明らかに綺麗に工作出来ている。列が進むごとに隙間を無くせるようになり最終列は完璧とは言えないまでも柱の形に合わせた加工まで出来るようになった。


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 まだまだ完成ではないが出来合いのフローリング床を買って説明書通りに貼った最初の部屋よりも、何日も無駄に費やし試行錯誤をして共に成長した(気がする)この床の方が明らかに愛着がある。

 まあ性格上行き当たりばったりはやめられないが楽しんでいこう。

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 今回手伝ってくれた魔王の部下たちもそう言っている。