辺境にて

南洋幻想の涯て

2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

心霊写真の話

本日はお盆の最終日。お盆と言えば幽霊だ。ひと月半ほど前、日雇いの休憩中に聞いた怪談を記す。食べられる野草果物や貝類を教えてくれる、一番年長の寡黙な幹部から聞いた話。

テラフォーミング計画

我々は旧暦上に生きている。今日からはお盆だ。日雇いは盆休みなのでスュリの農園で働く。だが、まずはその前に墓から屋敷へご先祖さまを連れて行く。

縁開

こちらの行事は基本的に旧暦本位制である。8月22日は旧の七夕だ。集落作業中に区長からそう聞いた。確かにここ最近伐採の仕事をしていると竹を切りに来る人に出くわす。数本切る人は自家用、大量に切る人は町へ売りにいくのだろう。

蝿戦争

注意:この記事は虫だらけです。

マンゴーの剪定が終わったので畑は一段落した。また日雇いへ行っている。魔王の農業は口は出しても日当は出せない文化祭の出し物レベルだ。本人は真っ当な生業のつもりでいるようだが。

森の恵み、または制裁

先輩に、お前は食べられると教えられた草や実を疑いなくすぐに口に入れるよな、と笑われた事がある。私は警戒心が強い性格だと思っているが本当はそうでもなかったのかも知れない。

めまい

引き続きマンゴーの剪定をする。何となく体の調子が悪い。一時間程すると体の力が抜け、立っているのも辛くなってきた。

夏眠の終わり

寝室に籠り眠っては覚め、確か5日が過ぎた。明日の昼にはようやく暴風圏を抜ける予報になっている。

ハイバネーション

次に目覚めた時、風雨は少しおさまっているようだった。外へ通じるドアの天窓から見える外は青暗かった。

台風モラトリアム ⒊

台風の猶予期間は残り二日。スュリの農園で魔王を手伝う。

台風モラトリアム ⒉

初めて見る火星人の棲家は私の校長室に瓜二つだった。ドアの横にある用途のわからないブロック塀までコピーしてある。絶対に火星の技術で複製されたものだ。中から私のそっくりさんが出て来たらどうしよう。緊張感が走る。

台風モラトリアム ⒈

台風:発達した熱帯低気圧。自然の恐ろしさを忘れた事のない島民達に自然の恐ろしさを思い出させるため頻繁に来る。

台風モラトリアム 0.

台風が島の南を通過する。