辺境にて

南洋幻想の涯て

遠景、町の灯

土曜の夜は依然廃校パーティだ。滝の集落のMさん、トラボルタと仕掛けを投げておいて、後は酒を飲んだり肉を焼いたりして過ごす。 すっかり陽が暮れた頃、投げ竿の鈴が鳴った。デッキに上る。トラボルタがアワセをして竿を私に呉れたが、私はそのままMさんに…

クリーチャー狩り

ティラダは0.2フィートもある硬い殻を持っている。その隙間から覗く目は決して瞬きをする事はない。旧暦の3月3日はこのクリーチャーを捕まえに行かなければならない。そうしなければ烏になってしまう。

蝿の王

今夕も校長室から投げ釣りをする。今日はトラボルタの他に滝の集落のMさんも居る。

リザードマンが呉れたもの 下

私がこれまで釣ってきたものは、ガティン(アジ類)を除けばあとは珊瑚(刺胞動物の集合住宅)、軍手(軍手)などの魚類というよりは雑貨類だ。基本的にはゴミを釣るのが得意だ。だからこんなに手応えのある魚は初めてだ。

リザードマンが呉れたもの 中

私は島民の大多数を占める「里の曙」派だが、今夜は社長の為にそれぞれ一杯だけ「れんと」を飲む。お猪口の「れんと」を呷った目に、天頂でバランスを失い傾き、落下を始めた太陽が見えた。

リザードマンが呉れたもの 上

クドゥムに魔王の仲の良い友人がいる。その奥さんは料理が上手だ。魔王が奥さんからフルの美味しい漬け方を聞いてきた。

夢の跡

いろいろな所で見かけるレンガを拾っては持ち帰る。バーベキュー台を作るのだ。魔王にも見かけたら拾って、と頼むと滝の集落にたくさん棄ててあると教えて貰った。 まだこれだけ。

縫いあと

左脚の膿は島の先生に診て貰った。抗生物質を貰い、また校長室にこもる。学校に引きこもって実家に働きに行かないと言うのもおかしな話だ。

恐るべき腐敗の女神

脛を縫ってから外にも出られず退屈な日が続く。通院は同集落の木工棟梁が港まで送迎してくれるので助かる。

ここまでの記録:観覧車

今日は閏日、隠れた日。四年に一度巡り来る。

地獄の山と血と骨、それから朝礼

注意:この記事には血の写真と描写が有ります。

薬効

ドラゴンはとても頑丈だ。切って半年だか一年だか捨ててあったものが、土に帰るどころかそこから育ち始めた。だから捨てる時は細かく刻まなければならない。そこまですると流石に倒しきることができる。

プライアップゾーン

大阪旅行中の事。来阪する私のために親戚が集まってくれた日があった。叔母にいとこの兄妹、私の弟夫婦とその3人の子どもたち。

旅路⒌

妹からのプレゼントで一泊二日の浜名湖旅行へ行った。鍾乳洞や砂丘、湖畔を観てまわった。10歳も離れた妹とはケンカをする事がなくずっと仲が良い。

旅路⒋

尼崎の友人Kと会う。彼は子供の頃神戸に住んでいた神戸っ子だ。阪神淡路大震災で家が潰れ、それから大阪で育ったのだ。

旅路⒊

夜はまた友人と飲みに出かける。今回は10日も滞在するので旧友たちとできる限り会う予定にしている。

旅路⒉

離島ではそこで手に入らない相当種類の品々がネットでの購入になる。画像を見るだけでの買い物だから思っていたのとは違う、という事もよくある。先月などはスケジュール帳のつもりで買った物が日記帳だった。大したスケジュールも無いのでそのまま使ってい…

旅路⒈

朝。魔王に、キュウワヒギュッサヤー。と声をかけた。魔王も、ヒギュルサヤ。と返した。魔法攻撃の応酬ではない。

怠惰の日々

年末には久しぶりにスュリに泊まって魔王と酒を飲んだ。

冬のふうけい ⒊

集落の忘年会へ行く。私は1月からこの集落の廃校へ住み着き始めたので忘年会へは初参加だ。

冬のふうけい ⒉

ある日、魔王が休む時の仕事を考えたというので付き従った。休みが何を指すのか我々にはもう分からない。何であれソテツを材料にするのだと言う。採取するためセリガチへ向かう。

冬のふうけい ⒈

タンカンの植え付けも一段落したのでまた林業の草刈りへ復帰した。

冬の校庭管理 下

はぐれ猟犬たちは吠えたり唸ったりはしない。敵意は今の所ない様子だ。奥さんが怖くて通れないと言うので私は犬たちの注意をひき、夫妻から離れた方へと誘導した。夫妻にはその隙に帰ってもらった。

冬の校庭管理 上

タンカン植え付けの片手間に冬の校庭管理も行う。

端材で何か作ったら?と勧められた。もう箱を作ったけど酷い出来でした。と答えた。

鉄の処女作

校長室(正確には校長住宅と言う)の廊下の襖は、住み着いた当初から劣化を極めていた。屋根自体が下がっているので少しひしゃげて途中までしか開閉しない。

イカの季節

林業終業後畑に寄って日没まで働く。苗約100本が11月半ばに来るのでそれまでに植え付けの準備をしなければならない。

馥郁たり魔眼スープ

眠りの波に取り残された昼下がり。私は再び立ち上がり山の方へと歩き出す。今度こそ魔眼を見つけるのだ。

準備の日々

もうすぐ私のタンカンの苗約100本が届く。勿論約なんて数で届くはずはなく、正確な本数は数えて伝えてあるのだが、メモを執らないからすぐに正確な本数を忘れてしまう。

仮面の人々

私の住む廃校から東へ東へと向かう。すると港へ着く。そこから今度は南へ一山越えると左手に神社が現れる。