辺境にて

南洋幻想の涯て

生活

リザードマンが呉れたもの 上

クドゥムに魔王の仲の良い友人がいる。その奥さんは料理が上手だ。魔王が奥さんからフルの美味しい漬け方を聞いてきた。

夢の跡

いろいろな所で見かけるレンガを拾っては持ち帰る。バーベキュー台を作るのだ。魔王にも見かけたら拾って、と頼むと滝の集落にたくさん棄ててあると教えて貰った。 まだこれだけ。

縫いあと

左脚の膿は島の先生に診て貰った。抗生物質を貰い、また校長室にこもる。学校に引きこもって実家に働きに行かないと言うのもおかしな話だ。

恐るべき腐敗の女神

脛を縫ってから外にも出られず退屈な日が続く。通院は同集落の木工棟梁が港まで送迎してくれるので助かる。

プライアップゾーン

大阪旅行中の事。来阪する私のために親戚が集まってくれた日があった。叔母にいとこの兄妹、私の弟夫婦とその3人の子どもたち。

怠惰の日々

年末には久しぶりにスュリに泊まって魔王と酒を飲んだ。

冬のふうけい ⒊

集落の忘年会へ行く。私は1月からこの集落の廃校へ住み着き始めたので忘年会へは初参加だ。

冬のふうけい ⒉

ある日、魔王が休む時の仕事を考えたというので付き従った。休みが何を指すのか我々にはもう分からない。何であれソテツを材料にするのだと言う。採取するためセリガチへ向かう。

冬のふうけい ⒈

タンカンの植え付けも一段落したのでまた林業の草刈りへ復帰した。

冬の校庭管理 下

はぐれ猟犬たちは吠えたり唸ったりはしない。敵意は今の所ない様子だ。奥さんが怖くて通れないと言うので私は犬たちの注意をひき、夫妻から離れた方へと誘導した。夫妻にはその隙に帰ってもらった。

冬の校庭管理 上

タンカン植え付けの片手間に冬の校庭管理も行う。

鉄の処女作

校長室(正確には校長住宅と言う)の廊下の襖は、住み着いた当初から劣化を極めていた。屋根自体が下がっているので少しひしゃげて途中までしか開閉しない。

仮面の人々

私の住む廃校から東へ東へと向かう。すると港へ着く。そこから今度は南へ一山越えると左手に神社が現れる。

バージョンアップ

朝、目覚めると少し喉が痛かった。エアコンを消し忘れて眠ったためらしい。

カゲロウの島

よく釣魚を食べさせてくれるお頭の兄が来年の初夏まで大阪へ行く。自分で自分の送別会をするそうだ。誘われたので参加する。

繋がり

弟も妹も去り、また酒と肉体労働の日々が帰ってきた。字面だけ見ると酒池肉林のようである。

面会 下

2日目の昼食後、妹は手銛で魚を突きたいと言い出した。私は海に入りたくなかったのだが、一緒に行こうと言うので仕方なくついて行った。

面会 上

ようやく妹が会いに来てくれた。

セルリアンブルーの透明な檻

内地から弟と妹が会いに来てくれた。日程は同時でなく少しずれている。私もそれに合わせ、一週間余り日雇いはやめにした。

アクトクジャングルパーク 下

次に記憶に残っているのは藪の中だ。何故かトラボとアマゾンの人と三人で荒地の中の一本道を歩いている。ああそうだ、消滅した神の子集落を探しに来たのだ。

アクトクジャングルパーク 上

ヒンジャ髭のYちゃんがカツオを食べさせてくれると言うのでウセへ行った。

テラフォーミング計画 頓挫

賭けに勝ってしまった。

地獄の釜の蓋の上

お盆の間は働いてはいけない事になっているが、およそ休の字のつく熟語を憎んでいる魔王に伝統だの風習だのは通じない。区長なのに。

テラフォーミング計画

我々は旧暦上に生きている。今日からはお盆だ。日雇いは盆休みなのでスュリの農園で働く。だが、まずはその前に墓から屋敷へご先祖さまを連れて行く。

縁開

こちらの行事は基本的に旧暦本位制である。8月22日は旧の七夕だ。集落作業中に区長からそう聞いた。確かにここ最近伐採の仕事をしていると竹を切りに来る人に出くわす。数本切る人は自家用、大量に切る人は町へ売りにいくのだろう。

蝿戦争

注意:この記事は虫だらけです。

森の恵み、または制裁

先輩に、お前は食べられると教えられた草や実を疑いなくすぐに口に入れるよな、と笑われた事がある。私は警戒心が強い性格だと思っているが本当はそうでもなかったのかも知れない。

めまい

引き続きマンゴーの剪定をする。何となく体の調子が悪い。一時間程すると体の力が抜け、立っているのも辛くなってきた。

夏眠の終わり

寝室に籠り眠っては覚め、確か5日が過ぎた。明日の昼にはようやく暴風圏を抜ける予報になっている。

台風モラトリアム ⒊

台風の猶予期間は残り二日。スュリの農園で魔王を手伝う。