辺境にて

南洋幻想の涯て

校長室でくつろいで

 山の現場が終わり、次の現場までまた暇になったので農業と宿の改修を手伝いながら校長室でゆっくり過ごす。破れ襖を洋風に改造する為襖紙を剥がしたが、そこから先が面倒で再開しない。


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 以前から決めていた通り最初の客としてまずは魔王を招いて酒と食事を振る舞った。

 

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魔王の私の棲家に対する感想は「スナックみたい」だった…。

 


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 お金が無いので豪勢な晩餐には出来ないがせめて変わったものをと思い、乾燥エノキを作っておいた。これに塩を振って乾煎りすると美味しいつまみになる。一部は水で戻し吸い物にした。それからあっさりとした味付けの鶏のひき肉丼。最後にストーブの上で熱燗を作る。

 

 翌日は魔王宿の大工手伝いに行った。この所魔王は宿の調度品を作っている。ベッドを6台作ったついでで私の寝室にも一つ作ってくれた。材料は三寸角などは購入したものだが半分は去年魔王がヒンジャの餌を持って行ったときに貰ってきた廃材である。材料代は殆どかからないからとタダで作ってくれた。紙パックではなくもっと良い酒を飲ませれば良かった。

 


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宿で材料を切り校長室に運び込む。あっという間に作ってくれた。

 

 それから食器棚運びを手伝ってくれた滝の集落の大男Mさんとも酒を飲んだ。Mさんは私と同時期に来島し、ゲームも好きだそうだから話もしやすい。

 また別の日は戸袋の無い雨戸を飛ばないようにした。そして以前から気になっていた屋上に生えているアダンを切りに行った。もし根を張っていればいずれコンクリートを割ってしまう。

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 アダンは何とコンクリートに根は張っていなかった。校長室の隣に生えている木から落ちた葉や実が分解され土になり、そこに生えていたのだ。だが移植するようなものでも無いので可哀想だが枯れさせて焼いてしまおう。風呂に繋がっている煙突の穴が出てきた。ヘビやネズミが入りそうだから何かで塞いでおこう。

 なんだかんだ退屈する事なく日々は過ぎていった。やがて次の現場が決まったと連絡が来た。今度は私の住む離島で草刈りだ。船に乗って行き帰りしなくても良いので気は楽だが、本島側にしか無いスーパーに寄ることが出来なくなる為今ある食料を上手くやりくりしなければならない。

 食料といえば狭い台所で炊飯器を出しっぱなしにも出来ず、いちいちコンセントを抜いて片付けていた。

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 しかし面倒なので鍋での炊飯に挑戦してみた。味に大した違いも無かったのでしばらくは鍋で炊飯してみよう。


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