辺境にて

南洋幻想の涯て

猟犬の庭

 いつもながら仕事もなくふらふらしている。農業は手伝っているが、去年マンゴーの時期が終わった時に10万円もらったきりだ。こんなものは仕事とはとても呼べない。収入という目で見れば高校生のバイト以下だ。

 魔王も自分で出来るうちは自分でやると言っているので私が行っても行かなくてもどうでも良いようだ。だから手伝うのは技術習得のためである。今日はタンカンに栄養素とハモグリバエ予防薬を散布する。


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藪の首

 もう伐採も終わってしまい仕事が無いので山賊の頭とふらふらしている。頭は夜ハブ捕りに行っているそうだが私は夜は眠りたいので行かない。

 そして今日も昼に定食屋でソーキ丼を奢って貰う。だがその前に最後に伐採をしていた現場に寄った。

 いつもの定食屋さんの女将に首を持って行くのだそうだ。何度聞き直しても女将に首を持って行くと言っている。頭の視線を追い高湿度の緑の密林の奥に首を探す。字面上では頭と首が並べばややこしい事この上無しだ。

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骨肉

 内地の叔父叔母が工具と一緒に食料品を送ってくれたので分けてやる、来い。と魔王から電話があった。喜んで貰いに行った。

 

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パイの実もあったが撮影をまたず食べてしまった。

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甘いお菓子には目がない。

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