辺境にて

南洋幻想の涯て

馥郁たり魔眼スープ

眠りの波に取り残された昼下がり。私は再び立ち上がり山の方へと歩き出す。今度こそ魔眼を見つけるのだ。

準備の日々

もうすぐ私のタンカンの苗約100本が届く。勿論約なんて数で届くはずはなく、正確な本数は数えて伝えてあるのだが、メモを執らないからすぐに正確な本数を忘れてしまう。

仮面の人々

私の住む廃校から東へ東へと向かう。すると港へ着く。そこから今度は南へ一山越えると左手に神社が現れる。

グミはおやつにはいりますか?

注意:この記事には虫が登場します。

遥かなる釣具屋

土曜日。日雇いの昼休み。海を眺める防波堤の上に座り、弁当箱を開ける。白米の上に敷かれた鰹節の上で煮干しが昼寝をしている。先日釣りを覚えたのでこの貧困弁当ももう少しマシなものになる筈だ。

あたらしいスキル

注意:この記事には魚の血の写真が有ります。

バージョンアップ

朝、目覚めると少し喉が痛かった。エアコンを消し忘れて眠ったためらしい。

カゲロウの島

よく釣魚を食べさせてくれるお頭の兄が来年の初夏まで大阪へ行く。自分で自分の送別会をするそうだ。誘われたので参加する。

繋がり

弟も妹も去り、また酒と肉体労働の日々が帰ってきた。字面だけ見ると酒池肉林のようである。

面会 下

2日目の昼食後、妹は手銛で魚を突きたいと言い出した。私は海に入りたくなかったのだが、一緒に行こうと言うので仕方なくついて行った。

面会 上

ようやく妹が会いに来てくれた。

セルリアンブルーの透明な檻

内地から弟と妹が会いに来てくれた。日程は同時でなく少しずれている。私もそれに合わせ、一週間余り日雇いはやめにした。

アクトクジャングルパーク 下

次に記憶に残っているのは藪の中だ。何故かトラボルタとアマゾンの人と三人で荒地の中の一本道を歩いている。ああそうだ、消滅した神の子集落を探しに来たのだ。

アクトクジャングルパーク 上

ヒンジャ髭のYちゃんがカツオを食べさせてくれると言うのでウセへ行った。

さよならマーズピープル

近頃は日雇いの帰りにスュリの畑へ寄り、日没まで農作業をしている。こうしなければ日曜日に畑に出ろと魔王に言われるからだ。できれば週に一日ぐらいは休みたい。だから疲労した体に鞭を打って畑へ寄る。

テラフォーミング計画 頓挫

賭けに勝ってしまった。

甘い香りのする呪縛

トラボルタの親類が亡くなった。遺された畑を彼が継ぐ事になったのだが彼には農業の心得が全くない。だから私と魔王に師事したいと言う。

地獄の釜の蓋の上

お盆の間は働いてはいけない事になっているが、およそ休の字のつく熟語を憎んでいる魔王に伝統だの風習だのは通じない。区長なのに。

心霊写真の話

本日はお盆の最終日。お盆と言えば幽霊だ。ひと月半ほど前、日雇いの休憩中に聞いた怪談を記す。食べられる野草果物や貝類を教えてくれる、一番年長の寡黙な幹部から聞いた話。

テラフォーミング計画

我々は旧暦上に生きている。今日からはお盆だ。日雇いは盆休みなのでスュリの農園で働く。だが、まずはその前に墓から屋敷へご先祖さまを連れて行く。

縁開

こちらの行事は基本的に旧暦本位制である。8月22日は旧の七夕だ。集落作業中に区長からそう聞いた。確かにここ最近伐採の仕事をしていると竹を切りに来る人に出くわす。数本切る人は自家用、大量に切る人は町へ売りにいくのだろう。

蝿戦争

注意:この記事は虫だらけです。

マンゴーの剪定が終わったので畑は一段落した。また日雇いへ行っている。魔王の農業は口は出しても日当は出せない文化祭の出し物レベルだ。本人は真っ当な生業のつもりでいるようだが。

森の恵み、または制裁

先輩に、お前は食べられると教えられた草や実を疑いなくすぐに口に入れるよな、と笑われた事がある。私は警戒心が強い性格だと思っているが本当はそうでもなかったのかも知れない。

めまい

引き続きマンゴーの剪定をする。何となく体の調子が悪い。一時間程すると体の力が抜け、立っているのも辛くなってきた。

夏眠の終わり

寝室に籠り眠っては覚め、確か5日が過ぎた。明日の昼にはようやく暴風圏を抜ける予報になっている。

ハイバネーション

次に目覚めた時、風雨は少しおさまっているようだった。外へ通じるドアの天窓から見える外は青暗かった。

台風モラトリアム ⒊

台風の猶予期間は残り二日。スュリの農園で魔王を手伝う。

台風モラトリアム ⒉

初めて見る火星人の棲家は私の校長室に瓜二つだった。ドアの横にある用途のわからないブロック塀までコピーしてある。絶対に火星の技術で複製されたものだ。中から私のそっくりさんが出て来たらどうしよう。緊張感が走る。

台風モラトリアム ⒈

台風:発達した熱帯低気圧。自然の恐ろしさを忘れた事のない島民達に自然の恐ろしさを思い出させるため頻繁に来る。